【DEIBA/個と組織③】貢献感と声の力
小さな発言が、組織の“空気”を変える
──貢献感が人を動かすとき
ある研修の場で、新入社員の一人がこう発言しました。
「会議で発言するのって、正解を持ってる人がするものだと思ってました」
その場にいた管理職たちが、少し驚いたようにうなずきました。
そして、こう答えたんです。
「正解を言うことが“発言”じゃない。
あなたの“視点”こそ、チームにとっての宝になるんだよ」
その言葉をきっかけに、彼女は少しずつ声を出すようになりました。
「わからない」「ちょっと気になった」──そんなひと言が、周囲の考えに波紋を広げていく。
やがて、そのチームには変化が起きました。
「会議がやわらかくなった」「自分も話していいんだと思えるようになった」と、メンバー同士が語り合うようになったのです。
“貢献”は、大きな成果を出すことだけではありません。
ときに、小さな気づきや不安、素直な違和感が、大きな変化の種になることもある。
「黙っていた方が楽」と思う場が、「話しても大丈夫」と思える場に変わるとき、そこに“生きた組織”が生まれます。
あなたの職場で、誰かの小さな声が届いていますか?
そして、あなた自身は「発言できる空気」をつくる側に、立てていますか?
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